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井戸の解体と埋め戻しの正しい手順|安全・確実な処理でトラブルを防ぐ

2025年10月07日更新

井戸の解体と埋め戻しの正しい手順|安全・確実な処理でトラブルを防ぐ

こんにちは!仙台解体センターです。
古くから生活の一部として使われてきた井戸ですが、現在では使用しなくなったまま放置されているケースも少なくありません。井戸をそのままにしておくと、地盤沈下や事故、さらには法的トラブルに発展することもあります。この記事では、「解体 井戸 埋め戻し」に関する正しい手順や注意点、費用相場、そして業者選びのポイントまでを詳しく解説します。
この記事を読むことで、井戸を安全かつ適切に処理するための流れが理解でき、安心して解体・埋め戻しを依頼できるようになります。古い井戸が残っていてどうすれば良いかわからない方、解体工事を予定している方、土地の売却前に井戸の処理を検討しているご家族は、ぜひ最後まで読んでみてください。

1. 解体工事と井戸の関係——なぜ埋め戻しが必要なのか

古い住宅や店舗を解体するとき、建物の構造だけに目を向けてしまいがちですが、実は「地中に残る構造物」こそ慎重に扱うべき存在です。

その代表例が井戸です。特に昭和以前に建てられた住宅では、飲用や生活用水として敷地内に井戸があるケースが多く、現在では使われなくなったまま放置されていることも珍しくありません。

井戸は地中深くに掘られており、時間が経つにつれて内部構造が劣化していきます。そのまま放置すると、地盤沈下・陥没・汚水流出など、さまざまなリスクを引き起こす可能性があります。

また、井戸の位置を知らないまま家を建て替えたり駐車場を整備したりすると、後に地盤が崩れて大きな事故になることもあります。

さらに、日本では古くから井戸に「水神」「竜神」などの神様が宿ると考えられてきました。

「井戸を埋めるときは必ずお祓いをする」「粗末に扱うと祟りがある」など、地域によって伝承も残っています。これは単なる迷信ではなく、自然や土地への敬意を示す日本的な文化とも言えるでしょう。

つまり、井戸の埋め戻しには、

安全性の確保(陥没・地盤沈下防止)

衛生管理(汚水・異臭の防止)

精神的安心(土地の供養・再利用の区切り)

という3つの意味があります。

解体工事を行う際は、これらを理解したうえで、専門的な知識を持つ業者に依頼することが大切です。

2. 井戸埋め戻しの流れ——安全で確実な施工の手順

井戸の埋め戻しは、単に「土を入れて埋めるだけ」の作業ではありません。

地盤工学的な知識・資材の選定・水処理の手順などが求められる、非常に専門性の高い工程です。

ここでは、実際に行われる一般的な手順を詳しく紹介します。

(1)現地調査と構造確認

最初の工程は、井戸の現況調査です。

井戸の直径・深さ・井戸枠の素材(石・レンガ・コンクリート・塩ビ管など)を確認し、水位や地層状況を調べます。

地盤の状況によっては地下水の圧が強く、埋め戻しに使用する材料や固化剤の配合を調整する必要があります。

また、古井戸の中には「手掘りのまま」「レンガ積み」「鋳鉄製パイプ」など、時代ごとに工法が異なり、現場対応力が試される部分です。

(2)お祓い・閉鎖の儀式

井戸は単なる地中構造物ではなく、「生活を支えた命の水源」でもあります。

そのため、閉鎖時にお祓いや清めの儀式を行うケースが多く見られます。

神主を招いてお神酒・米・塩をお供えし、「これまでの感謝と今後の安全」を祈願する「閉じ井戸の儀」が一般的です。

特に地方では、お祓いをしないと落ち着かないという施主も多く、精神的な安心を得る大切なプロセスといえます。

(3)水抜きと清掃

次に井戸内部の水をポンプでくみ上げ、底にたまった泥や沈殿物を取り除きます。

古井戸の場合、枯葉や小動物の死骸が沈んでいることもあるため、衛生面の配慮が不可欠です。

水を完全に抜いた後、井戸壁を清掃しておくことで、悪臭や雑菌の繁殖を防げます。

(4)砂利・砕石・モルタルによる充填

清掃後は、井戸の底から砕石・砂利・モルタルを層状に投入していきます。

この層ごとの施工が、後の地盤安定性を大きく左右します。

下層には水はけの良い砂利を使用し、中間層には粒の細かい砕石、上層部にはセメントミルクを流し込んで固化させるのが一般的です。

層ごとに転圧しながら充填することで、空洞が残らず、地中での沈下リスクを防ぎます。

(5)地表仕上げと整地

最後に、井戸の口を完全に閉鎖し、周囲の地盤と同じ高さに整地します。

このとき、表面を軽く転圧して仕上げることで、後の沈下を防止できます。

仕上げ後は、地面の見た目では井戸の痕跡がまったくわからない状態になりますが、内部はしっかりと固められた安全な地盤になっています。

3. 費用の目安と相場の考え方

井戸の埋め戻し費用は、井戸の深さ・直径・現場条件・使用資材によって変わります。

また、重機が使えるかどうか、お祓いを行うかどうかによっても費用に差が出ます。以下は一般的な目安です。

種類   深さ   内容   費用目安

浅井戸(3〜5m)      住宅用の浅い井戸     水抜き+砂利充填     約5万〜10万円

中深井戸(5〜10m)   農業・工業用の中規模井戸    水抜き+砕石+セメント処理 約10万〜20万円

深井戸(10m以上)    ボーリング井戸など   固化処理+整地       約20万〜40万円以上

ただし、井戸枠がコンクリート製で撤去が必要な場合や、狭小地で機械搬入が難しい場合は追加費用がかかります。

また、お祓い費用として2〜3万円程度を別途見ておくと安心です。

実際の見積もりを取る際のポイントは、

井戸の「深さ」「直径」を正確に伝える

井戸枠の素材や劣化状況を写真で共有する

現地確認を行った上で見積もりをもらう

ことです。

「一式でいくら」としか書かれていない見積もりは避け、どんな資材をどれだけ使うのかを明確に提示してもらうことが重要です。

4. 井戸を放置した場合の危険性とトラブル事例

井戸を埋め戻さずに放置すると、次のようなリスクが発生します。

(1)地盤沈下・陥没の危険

内部に空洞が残ると、長年の雨水の浸透などで井戸内の土砂が流れ込み、地表面が沈下します。

住宅地で発生すれば、フェンスの傾き・ブロック塀の亀裂・駐車場の陥没など、重大な損害につながるおそれもあります。

(2)衛生・環境リスク

井戸にたまった水が腐敗すると、悪臭や害虫の発生源になることがあります。

また、井戸の中に生活排水が流れ込んだりすると、地下水汚染を引き起こす可能性もあります。

(3)土地売却・再利用時のトラブル

未処理の井戸は、不動産売却時の大きなマイナス要因になります。

買主の地盤調査で井戸跡が見つかると、「解体時の不備」として値下げ交渉の対象になることもあります。

土地の再開発や宅地造成が進んでいる地域では、井戸の存在は必ず処理しておくべきです。

5. 信頼できる業者選びのコツ——井戸を任せるなら「経験重視」

井戸の埋め戻しは、解体工事の延長線上に見えますが、実際は地盤・水脈・資材処理など複合的な知識を要する専門分野です。

業者を選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。

井戸の処理経験が豊富かどうか

 単なる解体業者ではなく、「井戸・浄化槽・地中構造物」の撤去実績がある会社を選びましょう。

地盤安定処理の技術があるか

 セメントミルクや砕石の配合を理解しているか、施工中の写真を残して報告してくれるかがポイントです。

地域の慣習・風習を理解しているか

 地域にもよりますが、井戸の閉鎖にお祓いを伴うことが多く、神主手配を代行してくれる業者もあります。

見積もりが明朗であること

 資材費・人件費・廃材処理費が明確で、「一式」ではなく「内訳明示型」であるかを確認しましょう。

経験豊富な業者なら、井戸の場所を特定する段階から丁寧に対応してくれます。井戸が見つからない場合でも、地中探査機を使って安全確認を行うことも可能です。

まとめ

井戸の解体と埋め戻しは、単なる埋設作業ではなく、安全性・信頼性・地域の文化を尊重する重要なプロセスです。放置によるリスクを回避し、正しい手順で行うことで、土地の価値を守ることができます。

お祓い、資材選定、工法、費用、そして信頼できる業者選び。どれも疎かにできない大切なポイントです。井戸がある土地を所有している場合は、早めに専門業者へ相談し、安心できる処理を進めましょう。

仙台解体センターでは、地域密着をモットーに空き家、建て替え時の解体作業をおこなっております。是非、解体の事なら仙台解体センターにお任せください。

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