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アスベスト含有建材とは?安全な解体のために知っておきたい基礎知識

2025年10月09日更新

アスベスト含有建材とは?安全な解体のために知っておきたい基礎知識

こんにちは。仙台解体センターです。
建物の老朽化やリフォームを検討する際、「アスベスト」という言葉を耳にする方は多いと思います。アスベストは、かつて建材に多く使われていた鉱物繊維で、耐火性や断熱性、防音性に優れた便利な素材でした。しかしその一方で、人体への健康被害が明らかになり、現在では使用が禁止されています。
この記事では、アスベスト含有建材の基本知識から、危険性、法改正による調査義務、安全な撤去方法、費用・助成金制度までを詳しく解説します。アスベストを正しく理解し、安全に対応するための知識を身につけていただける内容です。老朽化した建物の解体を検討している方や、リフォームを予定しているご家族は、ぜひ最後まで読んでみてください。


アスベスト含有建材とは?種類と見分け方を徹底解説

アスベスト含有建材とは、石綿(アスベスト)が混入された建築材料のことを指します。アスベストは天然の鉱物繊維で、熱や摩耗、薬品に強く、軽量で加工しやすい特徴を持っています。そのため、1970年代から1990年代にかけて、住宅からビル、学校、工場まで幅広く使用されてきました。

アスベストが使われた代表的な建材には、以下のようなものがあります。

  1. 吹付け材(吹付けアスベスト)
    建物の鉄骨や天井裏に吹き付けて防火・断熱を目的としたもの。老朽化すると粉じんが飛散しやすく、最も危険性が高いとされます。
  2. 成形板(スレート板、ケイカル板など)
    屋根や外壁、天井ボードに使われる固形の建材。見た目では通常の建材と区別がつかず、含有の有無は分析によってしか判断できません。
  3. 断熱材・保温材
    ボイラーや配管の保温目的で使われ、老朽化すると繊維が剥離して空気中に浮遊する可能性があります。

アスベスト含有建材を見た目で判断するのは非常に難しいです。特に1990年以前に建築された建物は、何らかの部位にアスベストが使われている可能性が高いため、解体や改修前に専門の調査を受けることが重要です。
専門業者による「サンプリング調査」を行えば、確実にアスベストの有無を判断できます。見た目が似ているスレート屋根や壁材でも、含有率の高いものとそうでないものがあるため、自己判断は避けましょう。


危険性と健康被害―なぜアスベストは問題視されるのか

アスベストが危険とされる最大の理由は、その繊維が極めて細かく、吸い込むと体内に蓄積されることにあります。目に見えないほど小さい繊維が肺の奥まで入り込み、長期間にわたり体内に残留するのです。これにより、数十年の潜伏期間を経て発症する病気が複数確認されています。

代表的な健康被害には以下のようなものがあります。

・石綿肺
長期間アスベスト粉じんを吸い続けることで肺が硬化し、呼吸機能が低下する病気です。息切れや咳、呼吸困難が主な症状です。

・肺がん
アスベストを吸入した人の肺がん発症率は、一般の数倍に上ると言われています。喫煙との併発でリスクはさらに高まります。

・悪性中皮腫
肺や腹膜を覆う膜にできる悪性腫瘍で、非常に進行が早く治療が難しい病気です。アスベスト特有の病気として知られています。

これらの病気は、解体工事中やリフォーム工事中にアスベストが飛散した際に吸い込むことで発症する可能性があります。そのため、現在の法律では、アスベストを含む建材を扱う際には厳格な規制が設けられています。作業員の安全だけでなく、周辺住民への影響を防ぐためにも、正しい知識と対策が欠かせません。
アスベストは「古い建物の中に潜む見えないリスク」です。自分の家や所有物件が該当するかもしれないと感じた場合は、まず専門業者に相談することが重要です。


法改正で義務化!アスベスト事前調査の重要性とポイント

2022年4月から施行された「改正大気汚染防止法」により、すべての建築物の解体・改修工事でアスベストの事前調査が義務化されました。以前は一定規模以上の建物のみが対象でしたが、現在は住宅や小規模建築物も含め、全ての工事で事前調査が必要です。

調査は、建物の設計図面や使用年、材料のサンプル採取によって行われます。専門資格を持つ「石綿含有建材調査者」が現地を確認し、採取した試料を専門の分析機関で検査します。結果は自治体へ報告され、全国の「石綿事前調査結果報告システム」に登録されます。

もしこの調査を怠った場合や虚偽の報告をした場合、最大で50万円の罰金が科せられることがあります。つまり、アスベストの事前調査は単なる「任意の確認」ではなく、法律で定められた義務なのです。

事前調査のポイントは、建築年と建材の種類を正確に把握することです。たとえば、1985年以前に建てられた建物は高確率でアスベストを含んでいます。また、1990年代以降でも在庫材料を使用して建築されたケースもあるため、年代だけで判断するのは危険です。
工事を計画する際は、必ず資格を持つ調査者に依頼し、調査報告書を確認してから解体計画を進めましょう。


アスベストを含む建材の安全な撤去方法と専門業者の役割

アスベスト含有建材を安全に撤去するには、専門の技術と設備を備えた業者による作業が不可欠です。なぜなら、撤去中にアスベストが空気中に飛散すると、周辺環境にも深刻な影響を及ぼすためです。

撤去作業は以下の手順で行われます。

  1. 作業エリアを密閉し、負圧除じん装置を設置して外部への漏出を防ぐ。
  2. 作業員は防護服と高性能マスクを着用し、粉じん吸入を防止する。
  3. アスベスト部分を湿らせて作業することで、繊維の飛散を抑制する。
  4. 撤去後の廃材は専用の密閉袋に入れ、「特別管理産業廃棄物」として処理する。

これらの作業は、厚生労働省の定める「特定粉じん作業」として厳格に管理されています。作業後には、空気中のアスベスト濃度を測定し、安全が確認されてから養生を解除します。
また、作業を請け負う業者は「特定粉じん作業実施者」や「解体工事業登録」などの資格を持っていなければなりません。無資格業者が作業を行うと、法律違反となるだけでなく、近隣住民の健康被害や行政指導の対象になる恐れもあります。

信頼できる業者を選ぶ際は、過去の施工実績や資格証明書の提示を確認し、見積書にアスベスト処理費用が明確に記載されているかをチェックすることが大切です。


解体前に知っておくべき!アスベスト調査費用と助成金制度

アスベストの事前調査や除去には、一定の費用がかかります。一般的に、アスベストの事前調査費用は5万円から20万円程度です。建物の規模や採取サンプル数によって費用は変動します。また、除去工事の費用は、建材の種類と飛散リスクによって大きく異なり、1平方メートルあたり1万5000円から4万円ほどが相場といわれています。

ただし、アスベスト除去工事には自治体の助成金制度を利用できる場合があります。全国の多くの自治体で、アスベスト含有建材の除去費用を一部補助する制度が整備されています。たとえば、ある自治体では、住宅や事業所におけるアスベスト除去費用の一部を最大30万円前後まで補助する制度があります。

助成金を利用するためには、事前に申請書や見積書、アスベスト調査報告書の提出が必要です。申請のタイミングを逃すと補助が受けられない場合もあるため、解体業者と相談しながら進めるのが安心です。
また、助成金の対象には「個人住宅のみ」「一定規模以下の建物のみ」といった条件があるため、自治体の公式ホームページで最新情報を確認しましょう。

アスベスト除去は安全面だけでなく、環境保全の観点からも重要です。助成制度を上手に活用し、費用を抑えながら安心・安全な工事を進めることが理想です。


まとめ

アスベスト含有建材は、かつて優れた性能を持つ建材として重宝されてきましたが、現在では健康被害の原因となる危険物質として厳しく規制されています。
安全に解体やリフォームを行うためには、まず事前調査を行い、アスベストの有無を確認することが重要です。その上で、資格を持つ専門業者に依頼し、法律に則った手順で撤去・処理を進めることで、健康被害やトラブルを防ぐことができます。

また、調査や除去にかかる費用は助成金制度を活用することで大幅に軽減できます。老朽化した住宅やリフォームを予定している建物をお持ちの方は、早めの確認と準備をおすすめします。

仙台解体センターでは、地域密着をモットーに空き家、建て替え時の解体作業をおこなっております。是非、解体のことなら仙台解体センターにお任せください。

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